虫歯を放置するとどうなる?
みなさん、歯の痛みを感じても歯医者に行くのは面倒くさいと思って放置していませんか?
そのまま放置していると取り返しのつかないことになるかもしれませんよ。
今回は、「歯の構造」と「虫歯の進行度と症状」と「その治療法」についてお話していこうと思います。
歯の構造
まず図をご覧ください。
大人の歯の構造について簡単に説明します。
歯はエナメル質、象牙質などの硬い組織からできています。
象牙質の内側に歯髄という組織があります。
エナメル質
歯の表面を覆っている人間の身体組織の中で最も硬い組織です。
象牙質
象牙質には細い管が通っており、この管から痛みなどを伝えるといわれています。
歯髄
神経と呼ばれる組織で、神経のほかに血管やリンパ管などが通っています。
虫歯の進行度
では次に虫歯の進行度について説明していきます。
虫歯には進行度合いにより下記の5つのステージに分けられます。
C0:初期の虫歯
C1:歯の表面の虫歯
C2:象牙質の虫歯
C3:神経まで進行した虫歯
C4:根まで達した虫歯
それぞれの段階と治療内容を紹介していきます。
C0:初期の虫歯
C0よくシーオーやシーゼロと呼ばれますが、初期の虫歯のことです。
歯の表面のエナメル質が溶けて、白濁が見られる状態のことをいいます。
痛みを感じないのが特徴です。
C0の状態は、歯を削る必要はありません。
正しいブラッシングによって治癒することがあります。
そのため、しっかり歯磨きができているか定期的に歯医者さんでチェックしてもらいましょう。
またフッ素を塗布することにより進行を防ぐ事もわかっています。
C1:歯の表層の虫歯
C1とは、エナメル質が溶け、歯の表層が黒くなった状態を言います。
痛みなどの自覚症状は少ないですが、C0とは違い歯磨きだけでは治癒しません。
C1では、虫歯部分を削ってプラスチック(レジン)を詰めて治療します。
歯を削りますが、進行は浅いため麻酔を使用する必要がないことも多いです。
また治療期間が1日ですむという特徴があります。
C2:象牙質の虫歯
C2とは、エナメル質を超えて象牙質まで虫歯が進行した状態です。
冷たいものや甘いものを食べると歯がしみたり、歯磨きをすると痛みが出ることがあります。
また実際に歯が欠けたり穴があいたりなどして気づき始めます。
C2の状態は、虫歯部分を削って詰め物(インレー)をしたり、虫歯が大きいとかぶせ物(クラウン)の治療が必要になります。
詰め物やかぶせ物の作製には型どりをして1~2週間ほどかかります。
完成するまでには仮の詰め物をします。
C3:神経まで達した虫歯
C3とは、虫歯が神経にまで達した状態です。
何もしていなくても激しい痛みを感じるので、かなり症状が進行しています。
C3の状態は、神経を取り除く根の治療を行う必要になります。
治療中はかなりの痛みを伴うこともあります。
また根の治療では根の中をしっかりきれいにする必要があるため治療に時間がかかります。
根の治療後には、かぶせ物(クラウン)を用いて治療します。
C4:根に達した虫歯(末期の状態)
C4は、神経が死んで、歯根まで虫歯が達した状態です。
神経が死んでしまっているため、痛みを感じなくなることがあります。
しかし、この状態をさらに放置すると、根に膿みを持つようになり、強い痛みを感じるようになります。
痛みがなくなったからといって放っておくことは危険です。
まれなケースですが、虫歯の菌が根から感染が広がり、顎の骨を腐らせたり、菌が血液に入って「脳梗塞」や「心筋梗塞」になったりする可能性もあります。
下手をしたら死亡するケースもあります。
治療法としては根の治療が必要ですが、この段階まで虫歯が進んでいると、ご自身の歯を残すのは難しい可能性があります。
症状がひどい場合は抜歯を行います。
その後、インプラント治療やブリッジ、入れ歯をして、欠損した歯を補います。
まとめ
皆さん、いかがでしたでしょうか?
虫歯を放置すると歯を失うだけでなく、最悪命を失うかもしれませんよ。
一度歯医者で健診を受けてみましょう。