口呼吸は、どうしてダメなの? その1
テレビ見ているときなどに、お口がポカーンと開いてるお子さん、よく見かけませんか。
何かに集中してるときなど、口のしまりがなくなってる様子を見ると、かわいいなあと思うのは私だけでしょうか。
でも、そのお口ぽかん、口呼吸は、実は良くないんです。どういう風に良くないかというと、まず結論から言うと
①浅く早い呼吸になり、酸素の取込みが減るため、全身への影響が出る
②扁桃腺、歯周病などによる病巣感染から免疫異常を起こす
③顔の形、鼻の形、歯列の不正を起こす
今日明日を争う話ではありませんが、年月が重なると、いろいろな影響が出てきます。決して、放置しておいていいものではありません。普段の日常生活では、鼻呼吸の方がいいです。今回は、口呼吸について、話しを進めたいと思います。
そもそも、鼻と口とでは、その細胞の形から違います。
口からのどにかけては、外部からの刺激に強い重層扁平上皮という細胞に覆われています。食べ物、飲み物が触れても、傷がつきにくんですね。
それに対して、鼻の細胞は、異物除去のための多列円柱上皮と言います。鼻をくすぐるとくしゃみが出るのは、異物の除去を自律神経が反射的に行っているためです。また、鼻の奥の粘膜には、免疫細胞がいて、細菌やウィルスの感染から守っています。
口呼吸で唇が乾燥すると、だんだんと分厚くめくれてきます。同じように、乾燥した空気の刺激を受け続けた気管支にある多列円柱上皮は、いずれ重層扁平上皮細胞におきかわります。口呼吸は細胞の組織学的変化も起こします。
鼻、副鼻腔、のどの奥の粘膜からの分泌液には、免疫活性物質が含まれていて、嚥下や自然落下により粘液層は順次入れ替わります。
このように鼻と口の細胞は、本来担うはずの機能が違うのです。
お口には、咀嚼、嚥下という役目があり、鼻には呼吸という役目があります。
そして、空気を吸うとき、鼻には異物から身を守る防御機能があります。
つぎはそのことに触れたいと思います。