歯科ブログ

根の治療に長い時間がかかるのは?

みなさん、歯医者さんで根の治療が始まってからなかなか終わらないような経験はありませんか?なぜ根の治療は他の治療と比べて時間がかかるのでしょうか?
今回は1.根の構造2.根の治療の方法についてお話していきます。

1.根の構造
根管(こんかん)とは、文字通り歯根の中に存在している管です。
歯の神経や血管が通る細い構造をしており、肉眼でその全貌を把握することは不可能です。
そんな微細な構造の組織をきれいにお掃除して、滅菌・消毒まで行うことを根の治療といいます。
また、前歯と奥歯では、根の本数や形が異なります。前歯(中央から3番目の歯)の根は1本です。そして、根の中には神経が通る管(根管)がありますが、そのつくりも単純で、根の数と同じ1本です。そのため、根管治療も比較的容易に行えます。
次に、手前寄りの奥歯(4 ,5番目の歯 ― 小臼歯)です。根は、1本または2本が殆どです。2本の場合でも、途中までは1本で先が二又になっている場合が多いです。根管の数は2本であることが多いのですが、時に途中で合流したり、また枝分れしたりと色々な形をしております。
最後に、奥歯(6 ,7番目の歯 ― 大臼歯)です。根の数は3本です。根管の数は各根につき1本、計3本が基本ですが、約半分の人には4本目が存在し、根管治療の際にしばしば見落とされます。そして何より、根が湾曲していることが多く、それに伴い根管も湾曲するため、根管治療の器具が根の先まで届かないことも少なくありません。

2.根の治療の方法

a.ファイルで感染した神経や汚れをかき出すファイル清掃
細菌感染を起こした神経(歯髄)をかきだして取り、歯の中で繁殖した細菌を減らしていきます。歯を痛めないよう細心の注意を払います。再根管治療の場合、以前に詰めていた根充材を取る作業を行います。

b.薬剤・薬液で殺菌
管の中を薬剤で洗い、感染している歯質と根管内の清掃をします。
aのファイルで取れない箇所はここで根管洗浄をしっかり行います。

c.消毒薬を詰めて仮封(根管貼薬)
消毒薬を詰めて、新たな細菌が入らないよう仮の封をします。この仮封セメントは適切な厚みの確保、そして適切なセメント材料の選択をします。

2~3回の通院で洗浄を繰り返し、念入りに殺菌をし徐々に根の中の細菌をできるだけ減らしてキレイにしていきます。

d.根管充填
十分に殺菌ができた段階で、樹脂状の詰め物(ガッタバーチャ)をします。

まとめ
このように、根の治療はその処置の特性上、どうしても長い治療期間を要してしまいます。
それでも治療の結果、歯の保存につながるケースも多いことから、長い時間をかけるだけの価値がある治療法といえます。

東村山市の歯科・歯医者は かわせ歯科