口呼吸は、どうしてダメなの? その13
前回のブログでは、口呼吸に低位舌が多いことを書きました。
舌の位置や動きをみるポイントとして、舌の圧力、舌圧というのがあります。
今回は、舌圧についてお話せさせていただきたいと思います。
舌は筋肉の塊で、いろいろな方向に向かった筋肉の集合体で、それぞれの動きのおかげでとても複雑な動きができます。
そのうち、舌を前に出す筋肉で、オトガイ舌筋というのがあります。
この筋は呼吸するたびに筋肉の活動をしています。
上向きに寝ると、重力の関係で舌がのどのほうに落ちて、軌道が狭くなるので、呼吸ができるように、オトガイ舌筋は舌を前のほうに、上向きに寝てる場合は、上の方向に収縮して、気道を確保できるようにするそうです。
その筋肉の動きだけでは気道の確保ができなくなると、いびきや無呼吸という問題が出てきます。
また、舌が歯や歯列に触れれば圧力が加わりますが、生理的な舌圧になるように舌の運動がきちんと制御されていれば、歯並び、かみ合わせは狂いません。
しかし、それが口呼吸をしていると、鼻呼吸より、10倍以上舌圧が大きいのです。
このような力が慢性的に続けば、前歯は圧に耐えかねて、上下の前歯に隙間が空いて、開口などの不正咬合ができます。
実際に、開口の患者様の舌圧は、正常咬合者に比べて、大きいことが報告されています。
このように、舌の位置だけではなく、普段からの動き、圧力のかかり方が、鼻呼吸と口呼吸とでは違いがあり、口呼吸だと、歯並びにも問題が出てきます。
口呼吸ではなく、鼻呼吸をしていきたいですね。
次回は、口呼吸と学校の成績についてお話ししたいと思います。