健康寿命延長のカギは40歳から!
人生100年の時代、その中で健康に生きる時間をどれだけ長くするかで人生の豊かさが変わるように思います。
私たち人間にとって食べることは生きるために必要な栄養を摂り入れるだけではなく、心の癒しや楽しみとなり、心理的な満足感につながることで最後まで人間らしく生きる力となります。
そして、食べることにおいて歯と咀嚼(そしゃく)運動はとても大切な役割があります。
顎の発育、脳の活性、胃腸の補助など健康の保持、増進には欠かすことができません。
しかし、口の中の機能は老化によって衰えます。
老化は生きるうえで加齢と共に誰もが経験することで、環境的にも身体的にも様々な変化が起こり、例外なく口の中の機能も衰えます。
公立能登総合病院歯科口腔外科部長の長谷剛志先生によると、中年期(40歳から64歳の25年間)は口腔内機能を低下させるきっかけとなる年代となるそうです。
なぜなら、身体的、社会的、心理的に変化が多く、時には人生の危機にも直面することもあり、健康の格差も広がります。
さらに、仕事や家庭の業務に追われて食事に費やす時間を惜しむ傾向にあり、時短で済ませる食習慣(よく噛まなくても食べられる軟らかい食事)や不規則な食事から歯を磨く習慣も乱れるからです。
咀嚼運動など口の中の働きが低下すると軟らかい食材である糖質を食べる量が増えて高カロリー食かつ栄養が偏り、その結果メタボリック症候群、生活習慣病へのリスクも高まります。
生活習慣病の一つである糖尿病は歯周病との関係も深いこともわかっています。
さらに、口のなかの調子が悪いせいで人とうまく喋られない、人とのかかわりを控える、人目を気にするなど、身体的な衰えだけでなく、社会的な関りが不良になることも知られています。
ある研究ではフレイル(身体的、心理的、社会的、経済的など様々な面からなる加齢による体力や気力が弱まっている状態)へのリスクを比較したところ、主に自立している高齢者を運動、文化活動、ボランティアと地域活動の3つの活動の実施状況でわけて、すべて実施しているグループと何も実施していないグループとでは何も実施していないグループはフレイルになるリスクが約16倍となりました。
また、運動習慣だけのグループより文化活動とボランティア及び地域活動だけ実施しているグループの方がリスクは低く、運動だけでなく、他の2つの活動であっても継続性をもって日常生活に取り入れることで十分フレイル予防になることがわかります。
生活には困っていないけれど、言われてみれば自分でも感じている口腔内の些細な衰えに早い時期に気づき、維持回復に努めることで、高齢期の食事や生活に良い影響を与えることになります。
しかし、この些細な衰えを軽視してしまうと徐々に心身の機能低下にまでつながる負の連鎖が始まります。
反対に咀嚼能力を始め、口腔機能を良好に維持し摂取する食品が多様となることで、老後の人生を健康に楽しく生きる時間”健康寿命”を延ばすことにつながるのです。
かわせ歯科では、口腔機能の状態について咀嚼や嚥下の能力を調べます。
そして、状態に合わせて口腔機能の維持向上のためのトレーニングを指導しています。
健康寿命を延ばすために口腔機能のチェックをしてみませんか?