歯科ブログ

離乳食を使った口腔機能トレーニング

健康な子供でも摂食嚥下機能が上手く育っていない場合があります。
これは子供だけではなく、高齢者でもあります。
入院時、入れ歯を外したまま寝たきり状態だと口内空間は狭まり舌の動きが前後に制限されます。
また、口は開き気味になり閉じる力が弱まります。
その結果、食べる力が弱くなります。

トレーニング方法とは?

それは、毎日の食事がトレーニングになり機能をアップさせてくれます。

離乳食 初期から始めましょう

まず離乳初期食から始め、舌の上下運動を促す誘導をしていきます。
徐々に一口量を増やすと、舌の運動の巧緻性といって、舌を器用に動かすように変わってきます。
舌で上あごを圧迫できるようになったら、一旦一口量を減らし、離乳中期食に食べ物を変更します。
歯ブラシなどで舌を左右から圧迫するトレーニングもしつつ、徐々に一口量を増やしていき、舌の力をアップさせながら、舌の巧緻性を高めます。

舌の巧緻性とは・・・口腔内を前後左右上下動かせる能力

粘りの少ない食べ物でも、一口量が多い咀嚼運動は、食べ物を変えて嚥下しやすくするよりも、むしろ送り込みを助ける動作のひとつになります。
従って、同じ食べ物でも一口量を増やすと舌の巧緻性を高めることが可能になります。
その一方で一口量は同じでも、粘りを強くすると咀嚼嚥下運動はより複雑な動きをすることになり、筋肉の活動も高まり、巧緻性がアップします。

つまり、食べ物を利用した口腔機能の練習は、離乳初期には低粘性の離乳初期食を少量取ることから始めて、段階的に一口量を増やす。
すると、舌運動の巧緻性が高まってくる。
そして、同じ量の摂取時間が短くなってきたら、粘性を離乳中期食に変え、舌の上あごへの圧力と咬合力を高めるようにしていく。
一口量を一旦少なくして、中期食を単純な舌運動で食べれるようにする。
その後、再び段階的に一口量を増やし、最初の段階よりも処理する咀嚼力や舌の力を高めつつ、巧緻性も向上させる。
図にすると以下のようになります。


子育てが思うようにいかないと悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。
すこし難しい話だったかもしれませんが、食べる力、飲み込む力を育てる参考になれば幸いです。
お気軽にご相談ください。

文献:『摂食嚥下障害のケアとキュア』より引用

東村山市の歯科・歯医者は かわせ歯科