離乳食の初期って、どうしたらいい? その①
母乳あるいはミルクの授乳が進むと、離乳食を始めるときが来ます。
いつ始めるかと言えば、それは赤ちゃんが、うつむき頭位をとって、嚥下ができるようになるために、首がすわることと、スプーンなどの食具を使えるように原始反射が消えてること、この2つが必要です。
では、そのタイミングで離乳食を与えるのに、どんな食べ物を与えたらいいのでしょうか。
舘村先生によると、そもそも離乳の初期というのは、口の中はまだ狭くて、その狭い空間の中で舌は前後運動しかできません。
また上の唇の発達もまだ充分でなく、下の唇の動きも舌の動きと別々には行われず、唇、舌、下のあごがひと固まりになって、パクパク動くだけです。
この段階はまだ授乳期の延長と考えられ、舌の前後運動で処理できる物性、テクスチャーとも言いますが、そうした食物しか取れません。
唇は閉じれますが、上の唇で拭い取ることはできないので、スプーンの上の食物は自分で摂取することはできません。
この段階でとれる食事の形状は、流動食に近い、飲み込める形状のもので、まだ丸飲みの状態です。
ですが水分が多すぎて、ミルクと変わらなければ、舌の機能発達を促せません。
舌の機能発達のためには、ミルクよりも負荷の大きな物性が必要と言われます。
固形物と水分からなる刻み食やミキサー食は、離乳の初期では水分だけを嚥下し、固形物は口の中に残り、処理できません。
固形物を取るためには、舌の前後運動だけでなく、離乳の中期、後期になって、舌の上下、左右運動による咀嚼機能の発達を待たなければなりません。
離乳の初期に、前後運動しかできない舌と、閉鎖できるものの拭い取りが苦手な唇で、摂取可能な食べ物は、ミルクより粘りがあるドロドロの状態の飲み込める食物です。
注意しないといけないのは、水分が多いと丸飲みになり、嚥下機能の発達を逆行させてしまうということです。
バギーを使ってる乳幼児への対応について、舘村先生は以下のように紹介してます。
体幹保持機能に問題があって、嚥下時に頭を支えられずに、首が過剰に曲がってしまい、むせる子がいます。
その場合、頭が前に倒れないように、バギーの背もたれを後ろに倒し、頭をもたれさせたまま食事していることが多いと。
この姿勢では、確かに誤嚥のリスクは低くなるものの、その後の成長により、首が長くなると、誤嚥リスクは高まる。
このような場合も、うなずき頭位を取るようにする必要があり、背中の筋群の力をあげないといけない。
そのためのトレーニングとして、たとえばうつ伏せの姿勢で、頭部を持ち上げるような訓練を行うと有効だそうです。
離乳の初期の段階に来たら、ミルクより粘りがあるドロドロの状態の飲み込めるものを与えていきましょう。
それがこの時期のお口の機能の発達を促し、次の段階に進むためのステップをふむことになります。
かわせ歯科では、お口の健康を通して、全身の健全な発達を目指し、幸せな人生を送るお手伝いをしたいと思っております。
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