離乳食の初期って、どうしたらいい? その②
離乳食はいつ、どんなものから始めればいいのでしょうか。
それは、赤ちゃんがうつむき頭位で嚥下ができるように首がすわり、スプーンなどの食具を排除しないように原始反射がなくなったら、ミルクより粘りのあるドロドロの状態の食べ物をあたえるといいと思います。
ミルクよりも粘りがあって、ドロドロの状態のものって、どうな感じでしょうか。
舘村先生の話をご紹介したいと思います。
あんこ、はちみつ、納豆、煮たカボチャ。
どれも粘ります。
離乳初期の赤ちゃんにとっては、どんな粘りが良いのでしょう。
反対にダメな粘りというのは、指と指で押しつぶしたときに粉状になる粘り。
あんこです。
口が乾いた状態ではむせます。
次に指と指で押しつぶしたときに、糊のようにまとわりつく粘り。
粘着性とも言いますが、はちみつがこれです。
舌での送り込みが難しいです。
さらにプルプルしているけれど、押すと一気に細かくつぶれるもの。
寒天の多いプリンです。
細かくなりすぎて処理が難しいです。
処理しやすい粘りというのは、凝集性が高い、つまりまとまりやすく、バラバラになりにくいもの。
それと、付着性が低い、つまりくっつかない、まとわりつかないものというわけです。
これが離乳の初期に与えたい、ドロドロの粘りのあるものです。
ここで、お口の機能とそれにあった物性の食べ物との関係を考えたいと思います。
食べる機能、嚥下機能の落ちた人に、よく刻み食が与えられるようです。
刻み食は、固形物+水分です。
固形物の摂取には、咀嚼機能が必要で、水分の摂取には嚥下機能が必要です。
もし脳卒中で片麻痺のある人に刻み食を出したら、どうなるでしょうか。
まず、麻痺した側から水分を誤嚥して、麻痺した側に固形物が残ります。
残った固形物は人肌、すなわち体温と同じ温度になります。
体温と同じものは刺激強度が弱く、誤嚥しやすくなりますので、麻痺した側に残った固形物は誤嚥しやすい。
人肌で残った固形物は、歯垢に変わり、菌が増える。
それを誤嚥するので、誤嚥性肺炎が発症するきっかけになるというわけです。
お口の機能と、食べ物の物性が合ってないと、誤嚥を起こし、栄養が取れず、いい結果になりません。
離乳食の時期は、お口の機能の発達にとって、とても大切な時期です。
その段階ごとの機能のレベルに合わせて、食べ物を調整して取らせてあげることが重要です。
かわせ歯科医院では、お口の健康を通して、全身の健全な発育を目指し、幸せな人生を送れるようにするお手伝いをしたいと思っております。
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