脳卒中について vol.4
今回は脳卒中による盲次脳機能障害の局在性について触れたいと思います。
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左の側頭葉に言語中枢があるので、そこに、脳卒中病変がでると、失語症になることがあります。
右片マヒの方に失語症が多く、約80%の方にでるとの事です。
失語症の種類としては、下記のの5つあります。
- 運動性失語(ブローカ失語)
- 感覚性失語(ウェルニッケ失語)
- 伝導失語
- 健忘失語
- 全失語
運動性失語とは
理解はできるけど、返事をする言葉がでない状態
感覚性失語とは
ペラペラしゃべるんだけど、聞かれたことに対して返事はできない。
錯誤が多いそうです。
従って実際の対応としては、患者さんは理解出来て単語をこちらは復唱して、コミュニケーションをとっていきます。
伝導失語とは
主に復唱が障害をうけるもので、「こんにちは」と声かけられて、「こんこんは」あるいは言葉がでないそうです。
健忘失語とは
単語が思いつかず、言葉がなかなか出てこないことや、同じ言葉を繰り返すそうです。
全失語とは
発話、聴いて理解する、書字を書くなどすべての言語機能が障害されるものだそうです。
よって、「はい」、「いいえ」で答えられる質問をし、理解できたら、伝わったことをはっきり伝えるようにします。
植田先生によれば、失語はリハビリテーションの障害因子にはならないとのことです。
次に大脳の右側頭葉と後頭葉には、認知機能を司る中枢があります。
その部分に脳卒中がおきると、失認になります。
視覚、聴覚、触覚などの感覚は異常はないのに、物を認識できなくなる状態です。
失認のある場合、対応の方法としては、『Tell』『show』『do』『touch』の4つが大切です。
認知症の患者さんへの対応について
植田先生は高次脳機能障害の話につづいて、認知症の対応についても講義されました。
訪問講義の現場で、はじめは、歯科医師の指をかんだり、大声をあげたりと治療を拒否していたのが、その後の取り組みによって、新しい入れ歯で食事を楽しんでおられる患者さんの例をあげながら、あきらめずに取り組んでいくことの大切さを強調されてました。
さらに、入れ歯を使わないままにしておくと、筋という筋肉は廃用萎縮といってやせほそっていってしまいます。
それを、防ぐために、入れ歯をつかって、タッピング運動、嚙あわせる動作の練習をして、リハビリテーションをすすめていくことが大切であるとおっしゃっておられました。