訪問歯科診療とは?
訪問歯科診療とは、歯科医院への通院が困難な方でもご自宅や各施設で治療が受けられる医療サービスです。
歯科医師・歯科衛生士が機材を持ち運び治療を行なうため、クリニック・医院に通えない方でも定期的に歯のメンテナンスを受けることができます。
治療にあたり、患者様側でご準備いただくものはなく、お薬手帳・介護保険証・健康保険証のみご用意ください。
また、生活保護受給者の方も医療券・介護券が発行されますので、原則無料で受診可能です。
訪問歯科診療の費用は、介護保険と健康保険内で対応可能です。
交通費なども一切いただいておりませんので、ご安心ください。
訪問歯科診療でできること
- 虫歯治療
- 入れ歯作成・修理
- 抜歯
- 歯周病治療
- 摂食嚥下治療
- 絶食・過食障害
- 口腔内ケア
- ブラッシング指導
この様なお悩みの方はご相談ください
- 外出が難しく通院することができない
- 寝たきりでお口の手入れが困難
- 歯が痛い、虫歯がある
- 歯茎が腫れている、出血している
- 口臭が気になる
- 入れ歯が合わない、新たに作りたい
- うまく噛めない、飲みこめない、食事をよくこぼしてしまう
- 食べ物や唾液が気管に入ってしまう
摂食嚥下障害の治療ができる歯科医院
摂食嚥下障害とは、高齢に伴う筋肉の衰えや各種疾患、認知症等が原因で『食べる』機能が低下することです。
摂食嚥下障害になることで、免疫力が低下し、口内の細菌が気管へ入り、肺炎(誤嚥性肺炎)を引き起こす可能性があります。
こんな症状ありませんか?
- よだれが垂れるようになった
- 食べ物が鼻に逆流する
- 水などもうまく飲み込めない
- 食事でむせることが増えた
- 飲み込むのが遅くなった
- 食事に時間がかかる
- 食べ物が口の中に残る
- たびたび発熱し肺炎を起こす
訪問歯科診療 Case例
当院での訪問歯科診療症例をご紹介します。
【Case01】80歳 男性
この患者様の訪問看護師からのご紹介です。
性核上性麻痺のため、ほぼ寝たきりの状態で誤嚥性肺炎を繰り返されている患者様でした。
初診時の所見
残存歯は多く残っているものの虫歯で歯石沈着もしている状態でした。
義歯がありましたが口に合わず未使用でした。
また、口臭もある状態でした。
治療方針
虫歯治療、歯周病治療、口腔ケア、内視鏡検査、摂食嚥下訓練
治療について
ご家族に口腔内清掃方法をご指導し、虫歯などの基本的な治療を進めていきました。
そのお陰で、口臭は減り、口腔内も清潔になっていきました。
内視鏡検査では、嚥下機能に問題が認められたものの、嚥下反応は良好でした。
以後、ティスプーンを使用して少量の水分摂取(嚥下訓練)を続けていただいています。
また、ボウロを使用して咀嚼訓練も同時に始めました。
ご家族からの声
こういうことをしてほしかったという、正に私が求めていた嚥下訓練で、でもこれまでは誰にもしてもらえなかったことで、とてもうれしかったです。
少しでも父のQOLが上がり、楽しみが増えることを願って。
今後ともよろしくお願いします。
【Case02】入れ歯が合わない
『入れ歯が合わない』と訪問歯科にご依頼があった患者様です。
初診時
綺麗な入れ歯(上下)がありましたが、入れると落ちてきたり、浮いてきたりと合わず、噛めないため、使用していない状況でした。
そのため、刻み食をほぼ丸呑みで摂られていました。
丸呑みは、窒息や誤嚥性肺炎の危険を伴うため、心配でした。
治療について
まず、入れ歯を修理・調整し、口の中に入れてられるようにしました。
そこから、おせんべいを使用した噛むトレーニングを行いました。
舌や唇の筋力も落ちていたため、筋トレも合わせて行いました。
修理した入れ歯で、だんだんと噛めるようになってきたため、刻み食から普通食に変更しました。
その後も問題なく過ごせるようになってきたため、現状に最適な入れ歯を作り直ししました。
入れ歯の調整を行いながら、トレーニングを続け、食べられるようにしていきました。
美味しく食事が摂れるようになり、日常の生活の張りも生まれ、元気になられたようでした。